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RSYブログ

2019/07/26
変幻自在の「ん」  
昨日は玉虫を捕まえたのでその話をはさみましたが、今日は不規則五十音の続きです。

前回はハ行まででした。その後に続くマ行、ヤ行は発音的にも規則的なのでとばします。ラ行については不規則な部分もあるのですが、色々と解説が難しいのでとばします(笑)ワ行はあってないようなものなのでとばします。

ですので今日は「ん」についてです。ひらがなのなかで唯一子音のみの音です。英語などのアルファベットと異なり、ひらがなは通常母音を含んでいますが、「ん」だけは母音を含みません。なのでそれだけで他のひらがなとは全く異なる存在といえそうです。

そして「ん」の特殊性は他にもあります。それは前後に来る音によって同じ「ん」でも何種類かの発音があること。

例えば、

三太(さた)の「ん」は[n]の音。
参加(さか)の「ん」は[ŋ]の音。
秋刀魚(さま)の「ん」は[m]の音。

上記のように同じ「ん」の音でも後ろに来る子音によって「ん」の調音位置は変わります。例えば「さんか」のように「ん」の後ろに軟口蓋破裂音の[k]が来る場合には、「ん」は同じく軟口蓋で閉鎖をつくる鼻音の[ŋ]を選択します。「さんま」のように後ろに上下の唇を使う音が来れば、「ん」は両唇鼻音の[m]となります。また上には書きませんでしたが言葉の語尾に「ん」が来る場合には上記三つの音とも異なる音になります。

このように同じ「ん」でも条件によって発音が全く異なるのです。英語などのように"mention"や”member”など綴りが違えばわかりやすいのですが、日本語の場合は全て「ん」で表記されるのでなかなか違いがわかりづらくなっています。多くの日本語母語話者はあまり音の違いを意識していないのかもしれません。

パートナーの色に染まってしまう変幻自在の「ん」。みなさんは共感できる部分もあるのでしょうか?

2019/07/24
「は」「ぱ」「ば」の不思議  
今日は昨日に引き続きハ行に関してです。みなさんはハ行にだけ濁点(゛)と半濁点(゜)の両方がつくことを不思議に思ったことはありませんか?カ行やサ行やタ行など濁点がつく行は他にもあるのになぜかハ行だけ「ばびぶべぼ」に加えて「ぱぴぷぺぽ」へも変化する。どうも不自然な感じがします。

それもそのはず、ハ行の濁点事情は調音的な観点から言うととんでもないことが起きているのです。

そもそも濁点がつくということは、その行の子音が有声化するという基本的な原則があるのです。有声化とは声帯の振動を伴わなかった音(無声音)が声帯の振動を伴うようになるということです。例えばカ行の子音である[k]は声帯の振動を伴わない無声音ですが、同じ軟口蓋の音でも声帯の振動を伴わせると[g]の音になります。つまり無声子音[k]を使ったカ行を有声化するとガ行になります。サ行やタ行でも同じ変化があり、日本語の濁点というのはこの有声化が基本になることがわかります。

ただしハ行は上記のようなわけにはいかないのです。ハ行は基本的には喉の奥の声門で調音します。(「は」「へ」「ほ」のみ。「ひ」「ふ」は異なる場所。)ハ行を有声化させようとすると喉の奥で摩擦を感じながら子音の時点で声帯の振動を感じなければなりません。

....??

難しいですね。。努力して「はへほ」を有声化させようとしてみると「あ¨え¨お¨」のような日本語では表現できないような音になります。どうやっても「ばべぼ」にはなりません。それもそのはずでバ行はハ行とは調音位置がそもそも異なるのです。

バ行の調音位置は上下の唇です。唇を閉じて息を閉鎖したところから一気に開放する。唇同士を離したまま「ばびぶべぼ」は言えないですよね。唇をつかった有声の子音が[b]の音なのです。ですのでバ行はハ行とは音声的にはなんの関係もないのです。

ではパ行はどうなのかというと、パ行もバ行と同じく唇を使います。ただしパ行の子音[p]は声帯の振動を伴わない無声音です。つまりパ行が有声化したものがバ行となります。実はパ行とバ行がセットで、有声化と濁点の原則からいえば「ぱぴぷぺぽ」に濁点がつくと「ばびぶべぼ」になるのです。(日本語の表記がもはや「はひふへほ」が基本になっているのでややこしいですが...)

ハ行に濁点や半濁点がつくことでバ行やパ行になるというのに実はハ行自身がこの三者の中では仲間はずれだったなんて、なんとも悲しい(?)話ですね。日本語五十音順の独特さを感じます。

今回でハ行まで終わりましたが五十音順の中にはまだ不規則な部分があるのでしょうか?

続きはまた明日以降に。

2019/07/23
ハ行  
ここ何日かは夜は世界水泳(競泳)を観ていますが、初日から平泳ぎで世界新記録が出たりと驚きのレースが続いています。世界のトップは身体の使い方が常人離れしていますね。参考にできるところは参考にしています。

ブログですが、今日は50音順ハ行についてです。タ行の次はナ行なのですが、ナ行は規則的です。(本当は「に」だけ音をつくる位置が若干ズレるのですが、全て同じ鼻音ということで済ませてしまいます。)

対して次のハ行には発音的に不規則な点があります。ハ行をローマ字(ヘボン式)で書くと、

ha, hi, fu, he, ho

となります。"Fukuyama Masaharu”など、明らかに綴りが他のハ行とは異なる"fu"は仲間はずれなのではないかと予想がつきますね。日本語の「ふ」は唇をすぼめてその間から空気を出す時の摩擦で発音されます。ローマ字表記は"fu"ですが、歯と唇を使う英語の"f"の音とは異なります。(それぞれ別の発音記号が存在します。)

そして「は」「ひ」「へ」「ほ」ですが、ローマ字表記だとどれも"h"が使われています。しかし「はひへほ」と発音してみるとわかりますが、「ひ」だけ音をつくる位置が異なります。「は」「へ」「ほ」は喉の奥の方で摩擦を起こしている感覚があるのに対し、「ひ」は喉よりだいぶ前方の方で息を感じますね。「ひ」は硬口蓋という口の天井部分で摩擦を起こして発音されます。

そういえばドイツ語の"ch"の音もその前に来る母音によって喉の奥("Dach")になったり、硬口蓋("ich")になったりと変化します。言語ごとの特性を見ていっても面白いかもしれませんね。

このようにハ行にも3種類の子音が混じっているので注意が必要ですね。

明日はハ行に関しての日本独特の規則についての話になります。そして明日は朝と夜のレッスン二本立てですので都合の良い方、夏バテ防止のためにもぜひご参加くださいね。

では。

2019/07/22
タ行  
相変わらずの天気ですね。今日から夏休みの学校や幼稚園は多いのではないでしょうか。(自分自身は休学中の身なので夏休みも関係ないですが…)夏は四季の中で最も体力の落ちやすい季節ですのでなるべくポジティブに過ごしたいものです。運動、食事、睡眠を軸に調整していきましょう。

今日は50音順の続きでタ行についてです。発音に注目した場合のタ行の不規則さに気づいたでしょうか?これもローマ字表記(ヘボン式)にしてみるとわかりやすいですね。

ta, chi, tsu, te, to

「ち」と「つ」はローマ字表記でも発音記号[t]の音とは異なります。[t]はサ行の[s]の音と同じ上の歯の裏側の歯茎に関連するのですが、[s]の音が「スーー」と息を連続的に流し続ける摩擦音なのに対して[t]は一度歯茎に舌をつけて空気を流れを止めてから一気に開放する破裂音というくくりの音になります。「た」「て」「と」がその歯茎を使う破裂音[t]の仲間。タ行が仮に[t]の音のみだった場合には「た」「ティ」「トゥ」「て」「と」といった具合になります。

「つ」の音は[t]の音と同じで前歯の裏の歯茎と舌で音をつくるのですが、若干破裂音とは発音の方法が異なります。舌と歯茎で空気の流れを閉鎖して開放する済に少し摩擦を伴います。これを破擦音と呼びます。だからローマ字の綴りも破裂音[t]と摩擦音[s]が組み合わさった"tsu"となるのですね。(※発音記号は別に存在します。)

「ち」の子音も「つ」と同じ破擦音なのですが、歯茎よりも少し後ろ側で調音されます。音をつくる位置が異なるので音の響きもまた違ったものになります。

このようにタ行の子音には3つの異なる音が存在します。これは「し」だけが仲間外れだったサ行よりも混乱を招きそうです。タ行に濁点がついたダ行に関してはここでは説明しませんが興味があればどんな音が含まれているのか考えてみてください。

他にも調音位置が異なる不規則な行はあるのでしょうか?それではまた次回。

2019/07/21
サ行  
昨日は時々小雨が降りながらも止んでいる時間の方が長く、息子の幼稚園の夏祭りも屋外で無事できました。出店では「光るうんちヨーヨー」を買ったり、帰りにはもらった提灯を手にぶら下げたりと、まだ梅雨明けはしていないですが夏の雰囲気を存分に感じられた1日になりました。

さてひらがな50音の仲間はずれの話ですが、今日はタイトルにある通りサ行についてです。

サ行の仲間はずれとしては、言わずと知れた「し」。ローマ字で書いても、sa, shi, su, se, soと一つだけ"sh"と綴りが異なりますね。

「し」以外の"s"の音は上の前歯の裏の歯茎と舌の先が近づいて発音されるのに対して、"sh"の音はそれより少し後ろの硬口蓋(口の中の天井部分の前の方)と舌が近づき発音されます。

発音する場所に目を向けて規則的に考えるならば「し」の音は「しゃ、、しゅ、しぇ、しょ」の仲間に入ります。またサ行はかなで表すなら「さ、すぃ、す、せ、そ」というような表記になるかもしれません。

日本語母語話者であれば小さい頃から「さ、し、す、せ、そ」と当たり前に発音しているので多くの人には難しいことではないのですが、日本語学習者からしたら同じ行に二つの子音"s"と"sh"が入っていることは混乱の元になり間違いが頻繁に起きます。「し」を「すぃ」と発音してしまうことが増えるのですね。

逆に日本語母語話者が英語の"sit"を"shit"と発音してしまいえらい目にあったなんて話もよくあります。

子音と母音が合体して表記されるひらがなと、必ずしも発音面から見たら規則的に並んではいない50音順の特性を理解していくと、日本語母語話者と日本語学習者のお互いの理解も進んでいくかもしれません。

明日はタ行にいこうと思います。

だんだん蒸し暑くなってきましたね。体調に気をつけてお過ごしください。

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