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2020/08/28
東大受験物語 第十七話(最終回)「Y字バランサー誕生」  
こんにちは。今日も暑いですがいかがお過ごしですか?僕は昨日のBTYで全身筋肉痛です。(後屈が多かったので特に背中側。)普段やらない動きばかりありましたからね。かなりの刺激でした。

さて、今日は金曜日恒例の東大受験物語ですが、半年ほど続いたこのシリーズも今日でなんと最終回。思いつきで始めたこの連載、思ったよりも反響があり今日も「毎回楽しみにしています。」というメールを頂きました。ありがたいことです。けっこう長めの文章を飽きずによく読んでくれました。でも今日で終わりです。8月の終わりでなんだか区切りがいい感じ。もう一話くらい引っぱろうかとも思いましたが今日でおしまい。鬼滅の刃もすっぱりと終わりました。(6巻くらいまでしか知らないけど。。)終わりって切ないけど何かの始まりになることも多いのです。

・・・グダグダと言ってないで本編へいきましょうか...!

前回までの話はこちら↓

番外編↓



東大試験の最終日を終えて家に帰った僕はベッドに倒れ込みました。(当時はベッドがありました。)体力を使い切りご飯を食べる気力もなくただただ横たわっていましたが、頭だけがグルグル回っていました。何も考えたくないのに4科目の合計点をあーでもないこーでもないと計算してしまうのです。完全にカフェインの副作用。頭の暴走が止まりません。

半年以上溜め込んできた疲れと自分の意志とは切り離され自動化された思考ループの混合。今までに感じた事のないその異常な感覚の中でそのまま眠りに落ちました。妻が何を言っても起きられません。

そして次の日の朝、ある事に気がつきます。なんと合格発表まで2週間も期間があるのです。今までは受験勉強に必死で合格発表までの時間のことは気にしていませんでした。

(後期試験の勉強、どうしよう。。)

そうなのです。実は東大の前期試験(一番メインの試験、僕が受けたやつ)に加えて後期試験の願書も同時に提出していたのです。後期試験とは前期試験の合格発表の3日後くらいに行われる試験で前期試験に落ちてしまった場合にもう一度受けられる試験です。(もちろん何らかの理由で後期だけ受ける人もいると思います。)ただ試験内容は前期とは全くの別物。合格する人数も100人くらいしかいません。(前期の30分の1)

それでも合格発表までの2週間の間にこの試験の準備をしておけば、もし前期で落ちてしまってももう一度受かるチャンスがあるのです。そして僕は決めました。貴重な時間を無駄にするわけにはいきません。

よし、後期試験の勉強はやめよう!

そう、諦めました(笑)。チャンスがあるのはわかっているのですが、前期の試験が合格しているかどうかわからない宙ぶらりんの状態でどうしても勉強する気にはなれなかったのです。これ以上ないような清々しい態度で妻に宣言しました。

「もう受験勉強やめるよ!」

「別にいいんじゃない。」

決まりました。あとは合格発表を待つだけです。しかし清々しく勉強をやめる宣言をしたものの発表を待っている2週間は心ここにあらずの状態でした。仕事をしていてもなんだか落ち着かないのです。家にいる時も落ち着かないので眠る時間を長くして時を速めようともしました。(長い悪夢を見て失敗に終わりましたが。)

そして2015年3月10日。ついに運命の合格発表の日を迎えます。結果がどちらに転ぶとしても僕の最初で最後の受験生活はこの日で終わり。長いような短いような日々でした。時間内にできることは全てやったので悔いはありませんでしたが、もちろん合格がいいに決まってます。

発表はその日の正午12時。場所はなんと、、

自宅...!!

そう、インターネット発表なのです。なんでも本郷キャンパスの図書館を工事しているとかで例年通りの場所での発表がなくなってしまったのです。掲示板での発表に憧れのあった僕は少し残念でしたが仕方ありません。まあ現地に行く手間と交通費が省けたと考えれば悪くありません。

12時発表ということでしたが、大勢が確認するのでインターネットが混み合うとのこと。11時40分くらいには発表のページを開いてスタンバイすることにしました。(←珍しく計画的)

しかしなんだか落ち着かない。じっと待ってられないのです。気がついたら立った状態で脚を上げるY字バランスのような姿勢をとっていました。当時はヨガのヨの字も知らないのでとにかく不格好。どうしてそんなことをしていたのかは未だにわかりません。ヨガへの序章でしょうか。はたまたY字で人生の岐路を表していたのでしょうか。いずれにしても時は少しずつ確実に進んで行きます。

そして11時55分。発表5分前。我慢できずに合格番号が載っているページへのリンクをクリックすると、、

なぜかページが開きました...!時間前なのに...!

たくさん番号が載っています!

ドキドキしながらも番号を探します。社会人受験だったせいか僕の受験番号は大多数の受験番号とは頭の方の番号が違います。目立つ番号なのです。簡単に見つかって(or見つからない)しまうのがなんだか怖くなって、昔「リング」というホラー映画を古い公民館で観た時のように目を細めながら探しました。

そして、、

あった!!!!!!

自分の番号がありました!

でも見間違いかもしれないので何度も確認しました。どうやら間違いじゃなさそう。嬉しいというよりはなんだか安心したという感じ。受かって良かったというより、落ちなくて良かったという気持ちの方が強かったです。受験は心臓に悪いですね。

そしてその後、妻の職場にも直接結果を伝えに行き、その道中で親に電話で報告。世話になったN田やK君にも連絡しました。妻が喜んでくれたのも嬉しかったですが、N田が珍しく褒めてくれたのが印象的でした。


ふとした決意。周りの協力。怒濤のような時間。学びの楽しさと厳しさ。思考力、集中力、持久力。冷や汗。カフェイン。。

受験勉強を通して色々なことを濃い密度で経験できました。この時期の経験は確実に今に生きています。改めて協力してくれた妻や家族には感謝します。

そして合格できてよかった・・・

新たな人生の予感。



さて、東大受験物語は今回の話をもって終わりです。

最終回まで読んでいただきありがとうございました。


しかし、

この物語にはまだ先があります。

この後28歳で東大の新一年生になった男がどんな生活を送るのか。。


そして、、

来週からは、

新連載『東大生活物語』!!

まだまだ物語は続いていきます(笑)



To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/21
東大受験物語 第十六話「完全燃焼」  
こんにちは。もう金曜日。そしてもう8月も後半ですね。僕はこの時期から9月末くらいまでの時の速さに心がセンチメンタルになります。9月中旬あたりに外プールに入った時に森山直太朗の「夏の終わり」が流れ出した時なんかは涙が出そうになります。(出たことはありませんが。)まあ今年は外プールに行くこともなさそうですが。。それくらい夏から秋にかけての季節の移ろいはダイナミックかつ儚いものです。

僕の東大受験もそうでした。受験にかけた時間が短かったこともあって、その中で多量のエネルギーを生み出し爆発させ、その後収束に向かいます。夏休みみたいなものなんですね。そもそも受験した目的というのも今ある自分のエネルギーを増幅させて何かにぶつけてみたかったというのが一番。手の込んだ自由研究みたいなものです。そういえば小学校の自由研究で「妖怪巻物」を作ったことがありましたが、あの時もエネルギーを注ぎ込んで小学生にしては見事な作品が出来上がりました。(自画自賛…⁈)受験もそれに似たような感じですね。

さて、東大受験物語もあとわずかです。

前回の話↓



数学の答案用紙をほぼ白紙で提出するというほぼ予想通りの結果で東大本試験初日を終え、いよいよ2日目、受験最終日です。

ところで受験期間が短く東大一本だけに絞っていたので当然滑り止めなどは志願していませんでした。なのでこの2日間が最初で最後の試験日でした。もし仮に落ちたとしても来年もう一度受けようなどとは考えていませんでした。羽化した後のセミのようにほんの一瞬だけで全てを出し尽くそうとしていたのです。

セミの話はさて置き、舞台は冬です。2日目の天気はというと朝の時点で雨こそ降っていませんでしたが前日よりも雲が厚く怪しい雰囲気でした。若干の低気圧。初日と同様ブラックの缶コーヒーを買って駒場キャンパスに向かいました。

試験会場は前日と同じ。2日通うと古い木の床や机にも愛着が湧きます。新しい建物にはない独特の匂いが鼻を刺します。

そしてまた開始30分前のカフェイン摂取。ギリギリまで参考書に目を走らせます。一科目は日本史と世界史。ほぼ全て論述問題なので少しでも頭に材料が多い方がいいのです。特に世界史は時代の流れ、世界の動きをどう読むかの着眼点が大事になります。

そして試験開始。150分120点満点の問題です。日本史と世界史はまあまあでした。「この時代が
出たかぁ。。」という所はありましたが、それは過去問などと一緒。完璧ではないものの自分なりにストーリーを組み立てて記述できました。終わった後の手応えとしては70点くらいはとれたかなという感じ。可もなく不可もなく終われました。

そしてお昼休憩をはさんで最終科目の外国語。過去問でも一番点数を稼げてた所だったので楽観視していました。油断してはいけないとわかっていたのですが歴史を終えてなんとなく気を抜いていました。

試験開始後、全ての問題に目を通さず一問目から丁寧に時間をかけて解き始めました。というのも過去問ではだいぶ時間に余裕があったのでミスのないようにゆっくりスタートしたのです。しかし2問目に進むと、

(あれ??どうした…?)

(あれ…もしかして難しくなってる…⁇)

そうなのです。例年に比べて明らかに文章の内容が難しいのです。ただ読むのだけで時間がかかります。

急に冷や汗(脂汗?)がブワッと全身の毛穴から吹き出ました。自信があった科目だけにここで点数を取れないと数学の白紙が埋められないのです。

必死に頭を回転させて途中から一気にペースを上げました。悩んでるヒマはありません。最初で最後の受験の最後のテストだけ頑張ればいいのです。

最初は丁寧に書いていた字も途中からは乱雑になりました。序盤で字の綺麗さなど求めていた自分に腹が立ちました。タチの悪いことに丁寧に書いたところで僕の字はたいして綺麗じゃないのです。

(油断したな。。でもそんなこと言ってられない。「今」に集中しなきゃ…!)

初めてのマインドフルネス。ヨガを知らないとか言ってられません。超絶にヒマだった前日の数学から一転、めちゃくちゃ忙しい時間を過ごしました。鉛筆を握る手の内在筋も外在筋もどんどん疲労します。そこはカフェインパワー。

そしてついに試験終了の合図。なんとかギリギリで問題を解き終わりました。

解放。。七ヶ月間お疲れ様でした。悔いはありません(嘘)。

試験が終わった後はすぐに帰れるわけではなくて教室で待機。整理退場となります。(駅での混雑を避けるために教室毎に帰れる時間が異なるのです。広い会場のコンサートなどで行われるやつと一緒です。「アリーナ席Aブロックご退場ください。」みたいな。)

僕がいた教室はだいぶ後半の退出だったようで試験終了から40分以上もそのまま机で待機してました。その間に外がどんどん暗くなりゴロゴロと雷が鳴り始めました。強まる低気圧と全てを出し切った疲労感でカフェイン作用が残っているにもかかわらず教室の机で眠ってしまいました。

死んだように眠ったので退出の時を知らせる試験官の声で目覚めた時には机がヨダレだらけになっていました。。

(まだ入れるとも決まっていない教室でごめんなさい。でも春にはここに戻ってきてちゃんと除菌するよ。)

袖で拭ったヨダレの跡地に心の中でそう呟いて僕はその教室を後にしました。

アナ骨で脂肪を燃やすよりもはるかに高い燃焼率で心身の全てを燃やし尽くした日でした。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/14
東大受験物語 第十五話「ヒマな時間」  
時の流れ速くないですか?気がついたらもうお盆。夏も中盤です。そうこう言ってるうちに秋が来て冬が来て年末を迎えてしまいそうです。一瞬一瞬を大切に過ごしたいものですね。

時間の感覚は人によって違うし人生何に打ち込むかも人によって違うけれど悔いなく一瞬一瞬を過ごすためにはやはりバイタリティが必要。僕ももっともっと元気がほしいです。やりたいことに集中する元気。「元気があればなんでもできる by A.I」という言葉は非常に的確ですね。本当にそこにつきます。元気があれば自分のやるべき事もみつかるし自然にそこに打ち込める。僕も「元気」を増やす努力はコツコツと続けています。みなさんも継続して続けてみてください。

今日は金曜恒例の受験の話。本番の試験スタートです。試験って緊張しますよね。基本緊張しますがその緊張に飲まれてしまう人もいれば緊張を味方につけられる人もいます。その違いはなんでしょうね?実は訓練次第で大事な場面でパフォーマンスを発揮できるようになります。その秘訣はヨガクラスで(笑)。

今回は「時の流れが速くなかった」話です。

前回の話↓



東大二次試験(本試験)初日。国語の試験が開始しました。制限時間は150分ありセンターよりもだいぶ長いのです。しかしこの150分という時間、試験を受ける側からすると非常に短いのです。だいたいの場合時間が足りない。本当は4時間ほしいくらいです。

国語は現代文の文章が2つ、古文と漢文の文章がそれぞれ1つずつ並んでいて、全部で4つの部分から成り立っています。それぞれのセクションにはだいた5問くらいの問題が用意されています。4つの大問があるというのだから単純計算150÷4で、それぞれ40分に満たない時間しかかけられません。なので150分という制限時間はやはり短いのです。

ただ問題の形式自体は毎年一緒でだいたいどの問題も「傍線部アとはどういうことか。説明せよ。」といった感じです。ほとんど問題文は読む必要がないくらいです。(読みますが。)正直現代文に関しては日本語が母語であるのでただ話を読んで理解すればいいだけなのです。2問あるうちの1問はけっこうガチガチの論理的な文章、もう1問はけっこうくだけた文章。年にもよりますがそんな傾向があるようです。

あんまり堅い話やくだけ過ぎた話でもやりづらいなと思っていましたが、この年の話は割とバランスが良かったように思います。僕にとってはまあまあ読みやすい文章スタイルで、そんなに焦ることなくできました。(2つ目の現代文は「猫」の話で動物がけっこう好きな僕にとってはイメージしやすく読みやすい話でした。)

問題は古文と漢文です。これらは現代文と違い「外国語」と言っていい区分だと思います。普段使いこなしている言語とは全然違うので話の筋を大きく読み違えてしまう可能性があるのです。過去問でも何度か痛い読み違いをしてしまったこともありました。なので時間配分を気にして急ぎつつも正確に慎重に読まなくてはいけないのです。

ただこの古文と漢文も例年に比べて特別難しくなっているわけではなく冷静に取り組むことができました。もちろん完璧に細かい所まではわからないけれど話の筋は理解できました。そう、東大の本試験は半分以上の点数をとればだいたい合格できるのです。国語は120点満点だったので60点以上あれば上出来。ただ僕の場合は数学に不安があるので国語で70〜80点くらいはほしいところでした。

そんなこんなで150分の時間をフルに使いながらも一応全ての問題に手をつけることができました。東大試験1科目目はまあ満足できる出来。良いスタートが切れました。カフェインは身体に負荷をかけながらも効き目を保ってくれています。

そして昼食後の14時からは数学の試験。僕は文系受験だったので数学の問題数は理系の人よりも少なく制限時間も100分と短め。80点満点の問題です。

開始時間になり問題を最初から最後までザッと眺めます。出来そうな問題を探すためです。すると一番最初の問題がどうにも簡単そうでした。

(これなら自分にも解けるかも。。)

手をつけてみると確かに理解できます。計算の手も進みます。20分くらいかけてその一問が終わりました。答えが合っている自信もありました。

(なんだ、意外にいけるかも。)

調子に乗って2問目以降も張り切って解こうとします。

(あれ...?)

(う〜ん。。)

(何言ってるかわかんねえや...)

そう、2問目以降はよくわかりませんでした(笑)。その問題が難しいかどうかも僕には判断できませんでした。数学ぼ勉強をほとんどしなかった結果がここに出ました。当然ですね。

普通だったら途中式などまで書いて1点でも多くもらえる努力をするのでしょうが、半端にそんなことをしても仕方がないと思いました。別に自分のプライドがそうさせた訳ではなく、半端に途中式を書いても1点ももらえないなと思ったからです。採点するのは絶対に頭の切れる人間なので僕が問題を理解しているかどうかは一発で見抜かれてしまいます。

そうなるともはやそれ以上することが無くなってしまいました。残り80分ほどの時間を残して。

することがないので体力回復のために眠ってしまおうと思いましたが、慣れないカフェインを摂っていたので全く眠れる気配がありません。よって起きているしか選択肢がないのですが、見直しする問題もありません。

苦痛な時間が始まりました。。

あまりキョロキョロ周りを観察してもカンニングを疑われてしまうので迂闊に目線や身体を動かせません。なので鉛筆をクルクル回してみたり頭を抱えて悩んでるふりをしてみたり、色々と試行錯誤を繰り返しながら時を過ごしました。国語の時には150分が一瞬で過ぎてしまって足りないくらいだったのに、やることがないとなると5分が永遠に感じられます。本当は翌日の世界史の参考書でも開きたかったのですがもちろんそんなことはできません。

とにかくヒマな時間を耐え忍びました。周りの受験生は一生懸命手を動かしています。僕は自分の手相を眺めたりします。手相を見ても占えないことに気づくと、

(周りの高校生もよく頑張ってるなぁ。一人でも多く合格するといいなぁ。あ、合格人数は変わらないのか。)

などとどうでもいいことを考えたり。ともかく色んな手を使って時間を潰そうとしてました。もし当時ヨガの心得があったなら瞑想かプラーナヤーマをして一瞬で時が過ぎ去ったことでしょう。しかしその時はヨガのYの字も知りませんでした。

そしてやっと長い長い100分の数学試験が終わりました。

一問目が出来たと感じた分満足感はありました。その一問がパーフェクトだったとして80点満点中の10点しかもらえませんが元々0点でも仕方がないかなと思っていた数学、その一問があっただけでラッキーでした。

初日の2科目が終わり帰宅。カフェインも切れどっと疲れが出ましたがもう一踏ん張り。もう一日だけ試験があります。翌日は歴史(日本史・世界史)と外国語。

帰ってからも参考書を開き翌日の試験に備えました。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/07
東大受験物語 第十四話「黒い液体」  
暑い。暑すぎる。。今日は気温が36度くらいまで上がるそうですね。一週間前の金曜日とはえらい違いです。夏到来です。

家の前にミニプールを出して子ども達は水浴び。涼しそうです。僕も裸で水浴びでもしたい気分ですが通報されて終わりなので我慢します。

さて、今日は東大受験物語。猛暑日に寒い冬の話の続きです。

前回の話はこちら↓



センター試験から東大本試験までの約1ヶ月、数学に関しては手を出したりやめてみたりと迷走はしましたが、他の科目に関してはやるべきことを見極めつつ淡々と進めていきました。東大の過去問は難しいけれど考えさせられる問題が多く勉強自体がだんだんおもしろくなってきました。しかしながら睡眠時間を削ったりと自分の体力以上の容量をこなしているので純粋に勉学を楽しむというわけにはなかなかいきませんでした。制限時間がありますからね。

受験直前には仕事を全て休み勉強だけに専念。時折必要な参考書を買い足しては知識と思考力を増やします。なんでもそうですが一つのジャンルのものを学びたい時には一冊の本だけを読むのではなくて何冊かの本を読んだ方が良いのだと思います。どんな分野に関しても必ず主流とは真逆の仮説があったりしますからね。色々な可能性を踏まえた方がより深く思考できます。特に日本史と世界史はおもしろかったです。著者によって全然主張が違います。ただでさえ失われている文書や記録の方が多いのにそこに様々な解釈が入りますから違っていて当然です。まあ受験勉強で時間に限りがあるのでなかなか歴史だけに時間を割くのは出来ませんでしたが、この時期の興味が今の興味にも繋がっているのだと思います。

過去問の採点は模範解答を見ながら自分で行ったり家庭教師のK君がいる時にはK君にやってもらったりしていました。しかしこのK君、東大試験直前になって実家のある静岡に突然帰ってしまいます。聞いた話によると大学サークルのいざこざ(?)で少し精神的にやられてしまい実家のほうで心を落ち着かせているとのことでした。

(東大生も色々あるんだな。K君繊細そうだしな。。)

なんて思いながら勉強を見てくれる人がいなくなってしまったのを少し心細く思いつつも独りで勉強していました。ちなみに数学を教えてくれていたN田との新宿ルノアール勉強は年末くらいで終わっていました。当初予定していた高校教科書の内容が全部終わったからです。「示して」という言葉から解放された僕は結局数学をやったりやらなかったり半端な形になってしまったわけですがまあそれはそれで良かったのでしょう。

そしてセンターからの1ヶ月が過ぎるのは予想通りあっという間。2月25日の試験当日を迎えます。センター試験と違ってこちらは水木の平日開催なのですね。(どうでもいい話ですが。)試験会場は東大駒場キャンパス。確か理系受験が本郷だった気がします。僕は京王線沿線に住んでいるので井の頭線で行ける駒場が会場だったのはラッキーでした。

受験票を見てみると僕が試験を行うのは1号館の教室でした。1号館というのは正門から正面に見えるデカい古い建物です。一番わかりやすい所ですね。その中の古い教室が僕の試験会場でした。多くても30人が入れる程度でしょうか。あとで聞いた話によると300人規模くらいの大講堂で受験した人も多かったようでそちらの方がリスニング問題なんかは大変だったようです。僕は小さい教室でここでも幸運に恵まれました。特に体質的に人のエネルギーを感じやすいのであんまりたくさんの人がいると雰囲気に飲まれてしまう可能性があります。

身の回りの条件はなかなか悪くありません。木の床でできた古い教室もけっこう好みです。しかしながら僕の身体の調子はというと、、どん底でした。なぜかというと、勉強のし過ぎです。慢性的な睡眠不足です。特にこの1ヶ月はかなり追い込んだやり方をしていたので疲労度MAXです。本来受験というのはもう少し時間をかけるものなのでしょう。半年ちょっとで全てをやろうとしたツケが受験当日に極度の疲労という形で出ていました。頭が働きません。

(やはりあれに頼るしかないか。。)

こんなことになることはわかっていたので来る途中のコンビニでブラックのコーヒーを買っていました。前にも書いた通り敏感体質の僕にとってはカフェインはかなり危険。その後の体調を著しく落とします。しかしながら摂取してから数時間、頭は回転します。諸刃の剣ですね。疲労困憊の頭を無理矢理回転させるために試験開始の30分前くらいに缶の半分くらい飲みます。普段飲んでいないというのもあり若干気持ち悪くなりました。ブラックというのも刺激が強いですね。しかし牛乳入りは乳糖不耐で飲めないし、糖分入りは疲労に拍車をかけるのでブラックという選択肢しかありません。

15分くらいすると心臓がドクドク高鳴ってくるのがわかります。カフェイン効果バッチリ。無理矢理エンジン全開です。手が多少震えるという副作用は出ますが字を書くのには困らない程度です。

さて時刻は9時30分。一科目目の国語、2時間半に渡る試験の開始です。(試験時間長いな...!)


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

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