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2020/09/25
東大生活物語 第四話「球当て交流」  
雨ですね。寒いです。コロナでレッスン中はスタジオの窓は開けっ放しなのでこれからの季節はなかなかきつそうです。まあその分動いて身体を温めてもらえばいいんですけどね。オンラインはその辺も便利かもしれません。

最近息子達と熱帯魚の図鑑を見るのにはまっています。そういえば妻と僕が出会ったのも熱帯魚のいるアクアリウム店だったのです。子ども達がもう少し大きくなったらまたアクアリウムをやりたいなと思っています。

さて、今日は東大生活物語。アクアリウムとはなんの関係もありませんが、初めて出会う仲間と仲を深めるのにも運動は有効だなと思います。みなさんももし仲良くなりたい人がいたら何かスポーツに誘ってみてください。効果ありますよ。

前回の話はこちら↓



前回の話のようにクラスの自己紹介が終わり、その数日後からオリ合宿が始まります。1泊2日で行くクラスの交流旅行です。上クラ(1つ上の先輩クラス)が行き先や旅行プランなどを決めてくれているので僕達新入生はそれに従ってついて行くだけ。場所は千葉県のどこかでした。

東大のすぐ近くから貸し切りのバスが出て現地まで連れて行ってくれるのですが、その道中近くに座っていた同じクラスの子たちと交流を深めることができました。話してみて感じるのはみんな頭の回転速度と思考力が高いということ。こちらの言おうとすることを120%理解してくれます。

彼らには当たり前のことだったかもしれませんが僕にとってはけっこう衝撃でした。今までの人生でこちらの言うことを噛み砕いた説明なしで完全に理解してくれる人がいなかったからです。それで孤独感を感じたこともしばしばありました。なのでそういう人たちに巡り会えただけでも東大に入って良かったなと思いました。

さて、目的地のホテルに到着するとまた別の衝撃が走りました。すごく古びたボロボロの建物。客室の障子は破れまくっています。そして同じ日に同じホテルに泊まっていたどこかの会社の団体はロビー近くでタバコをスパスパ吸っていて通路は煙だらけです。

(まあ旅費も安いし仕方ないか。。)

その日はホテルの近くにある体育館で遊ぶことになっていました。内容はドッジボール。バスケとかがしたかったのですがドッジボール。もう15年くらいしていません。周りのみんなは数週間前までは高校生だった子が多いのでドッジボールをしたのもつい最近のことかもしれません。ちなみに僕のいるクラスは1浪か2浪で入った子が数人いるくらいで後は現役合格者でした。僕はもはや現役合格の部類ですね(笑)

ドッジボールの試合中、インストラクターの癖でみんなの身体の動きを観察してみると、やはり大抵の子が受験なまりなのか動きに切れがありません。そういう僕も息がすぐ切れます。しかしやはり何人かは動きのセンスが良いのです。どんな集団にでも動ける人間はいるものですね。10代の若さでボールを避けたり速い球を投げたり。最初微妙だと思ったドッジボールも久々にやってみると楽しかったです。クラスメイトとの距離も少し近づいた気がしました。(アドレナリンやドーパミンのせい)

スポーツを通して仲間と親交を深めるという脳科学からのアプローチ(?)を終えた後はホテルで雑談をしたりゲーム大会をやったりと楽しい時間を過ごします。高校もまともに行ってない僕にとっては久々の経験でした。しかしながら一通り遊びを終えた後は先輩から授業の情報を聞き、みんな自分の授業計画を立てていました。切り替えがはやいのです(笑)僕も単位制というのがいまいちよくわかっていなかったので色々と教えてもらい仕事がギリギリできる範囲で仮の予定を立ててみました。

次の日はバスでマザー牧場に寄りましたが天気はあまり良くなく、辺り一面霧で覆われていました。4月にしては寒い天気の中、一通り動物たちを見て回ります。一緒に行動していた子が動物にまつわる豆知識を語ったりしているのを聞いて「いかにも東大生だな」なんて思いました。


そんなこんなでオリ合宿も無事に終わりすぐに大学の授業が始まります。(今年の新入生はコロナでオリ合宿もなかったんだな...)

記念すべき東大の初授業はALESAという一年生の必修科目。英語で論文を書くための授業です。

教室に入ってみて初めて気づきました。全部英語のクラスなのに英語がスラスラ喋れない...!!

"My name is Koki Aijima. I'm 28 years old!!"

どうしたものか。。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/09/18
東大生活物語 第三話「物理的」  
こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。今日はちょっと暑いですが、夏とはもう違いますね。ここから年末まではあっという間ですよ。時間の密度を最大限に保って生活していきたいと思います。

少し前に書いたように長男が狂ったように逆立ちを練習しているので僕も狂ったように一緒に逆立ちをしています。そのおかげでちょっと前より逆立ちのレベルが上がってきました。やっぱり身近に練習相手がいると違いますね。みなさんの側にも刺激の受けられる存在はいますか?

今日は金曜日。東大物語の日ですが、東大にはモンスターのような頭脳の持ち主がゴロゴロいてとても刺激になりました。休学をしてずいぶん経つので僕の頭は怠けっぱなしですが、そろそろ気合いを入れないといけないですね。今日の話はそんな刺激を与えてくれた同級生と初めて会った時のことです。あれからずいぶん経ちましたがまだみんなは23歳か。。若い...!

前回の話はこちら↓

ついでに前シリーズ東大受験物語の1話目はこちら↓



前回はテント列の話をしましたが、大学入学前のイベントとしてもう一つ「オリ合宿」というものがあります。(おそらく「オリエンテーション合宿」の略)1泊2日の旅行を通して新入生同士で親交を深めたり情報を交換しようというものです。

他の大学のシステムはわかりませんが東大にはクラスというものがあります。もちろん高校までのクラスと違ってずっとみんな一緒に同じ授業を受けるわけではありませんが、1年生の時には割と多くの授業を共に過ごします。第二外国語の選択によってクラスが決まります。僕はスペイン語を選んだので文科三類の七組という所に配属(?)されました。略して「さんなな」というクラスでした。

上記のオリ合宿はその「さんなな」で行く行事です。そしてその行き場所を決めたり迷える新入生を引率するのが、一つ上の学年の「さんなな」。東大の用語でいえば「上クラ」(一つ上の先輩クラス)となります。他にも「ジジクラ」(二つ上のクラス)や「下クラ」(自分から見て一つ下のクラス)、「孫クラ」といった言葉もあります。最初は何のことかさっぱりわかりませんでしたが便利な言葉たちです。

そしてそのオリ合宿に行く前にクラスのメンバーの顔合わせがありました。これも上クラ主導で駒場キャンパス内の教室を借りて行われました。

僕のクラスの人数は36人。男女の割合は20:16。東大の女子学生の比率が未だに20%を下回っていることを考えるとこのクラスの比率は他のクラスより女子の割合が高め。スペイン語が人気なのでしょうね。ロシア語とかになると比率がだいぶ変わるようです。

ともかくも同じクラスになるメンバーでの自己紹介が始まります。中には入学前から知り合いだった子達もいたようですが、ほとんどがお互い初対面。みんな探り探りの様子です。自己紹介では名前や出身校、好きなタイプ(!)、これからの意気込みなどを話して行きます。

どうやら僕のいるクラスは東京以外の出身の子が多い様子。九州や四国、関西を中心に色んな所から集まったようです。多様性があり良い感じです。ただやはり開成高校や筑波大付属駒場高校など東京の名門と呼ばれる高校の出身者も少なくありません。出身校をみんなが言う度に周りからは「名門!」というかけ声が飛んでいました。(まあ真面目にではなく盛り上がるためのギャグのようなものですが。)

そして場も温まってきた後半の部分で僕の番が回ってきました。名前や東京出身だと伝えるところまではいいとして出身校はどうしたものかな、と考えましたが結局、

「出身校は『大検』です。」

と言うと一瞬その場にいる子達がポカンとなりましたが、すぐに「えー!」だか「うぉーー!」みたいな声に包まれました。高卒認定出身者はかなり少数派なので珍しいのでしょうね。なんだかわからないけどその場が沸いてくれたので調子に乗った僕は次に、

「好きなタイプは、、『妻』です。」

というと先ほどよりも場が沸きました(笑)。まあそこにいるメンバーはまだ18,19歳ですから結婚はまだ考えたこともないのでしょう。けっこう驚いてくれましたし、その後の会話のきっかけにもなりました。僕も新しい環境に少し緊張していたので自分より10歳くらい年下の子とすぐになじめたのは嬉しかったです。みんな話してみると賢く性格も良い感じでちょっと東大生のイメージとは違いました。スペイン語を選ぶ子達は明るい子が多いのかもしれません。(←偏見)

しかしながらその日の自己紹介で一番場を沸かせたのは僕の発言ではありませんでした。それはMという女の子が放った一言。初対面の大勢の前でぶっ込んできたその女の子はその後僕と同じ学部に進学することになり今も駒場に院生として在籍しています。そんな僕と縁のある天才頭脳の持ち主のMは「好きなタイプは?」という質問に静かに、そして綺麗な声でこう答えました。

「私を物理的に縛ってくれる人が好きです。」


これだから東大はおもしろい...!


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/09/11
東大生活物語 第二話「テント列タイムアタック」  
今日もなんだか暑い日ですが、秋は確実に深まってますね。すぐにこの暑さが貴重になるのでしょう。僕の中では夏の終わりが一番感情に深く入り込んで来る季節です。水泳部出身というのもその一員かもしれませんね。

そういえば、夏の終わりの学校のプールでコウモリが一匹泳いでいたことがあります。水を飲もうとして水に飛び込んでしまったのかもしれませんが、やろうと思えば泳げるものなんですね。無事プールサイドまで辿り着いていました。

そう、想像できることはだいたい可能なんですね。無理だと思っても不可能ではないことが世の中にはたくさんあります。

みなさんは無理だと思って諦めてしまった望みなどはありませんか?

コウモリから話が大きくなりましたね。。

どうでもいいですが東大生活物語第二話の始まりです。

前回の話↓



さて大学一年生は授業が始まる前にイベントてんこもりです。3月末には諸手続きをする日が一日設けられていたのですが、かなり強く印象に残っているのがその手続きが終わった後に新入生が遭遇する「テント列」という行事。東大名物だそうです。

諸手続きを終えた新入生は1号館という建物の裏手の出口から外に出るのですが、そこにはなんと大量の在校生とたくさんのテントが待ち構えているのです。道は1本しかないのでその人混みを抜けて駅の方に帰らなければならないのです。

そこで何をしているかといえば部活とサークルの勧誘。無数のサークルのメンバーが新入生を勧誘しようと待ち構えているのです。

(これをどうやって抜けるんだ。。サークルには入らないし困ったな。。)

どう考えてもサークル活動に費やす時間がない僕にとってはサークルの勧誘はお互い時間のムダ。どうやって切り抜けようかと思っている間にすでに目の前の道は鮮やかな水色のユニフォームを着たガタイのいいお兄様方で塞がれています。

東大アメフト部WARRIORSです。

気がついたら数人に取り囲まれていました。通ろうと思っても道がありません。

「お兄さん体格いいね。アメフトとか興味ない?」

一人のアメフト部員が話しかけてきます。

「いやあ、でも水泳部の方に興味があるんですよね。」

僕は入りもしない水泳部の話で切り抜けようとします。

「じゃあ話だけでも聞いていこうか。」

と僕をテントの方に連れて行こうとします。

「いや、でも今日は急いでるんで。」

別に予定はありませんでしたが適当なことを言って歩き出します。すると目の前をすぐに3人くらいが塞ぎます。こうなったらもう体のぶつかり合い。思い切り押し切ろうとします。

「お兄さん、当たり強いね。やっぱりアメフトやりなよ。」

(いやいや、この歳で大学入ってアメフトはやらないでしょ。というかやっぱり年下に見られてるのか。。)

なんて思いながらぐいぐい押し合っている間に後続の新入生達が続々と僕の後ろにやってきました。そしてアメフト部の若者達が新しいターゲットに気をとられている間にスルスルっと人混みの間を抜けてなんとかアメフトエリアから脱出できました。一度テントの方に引き込まれてしまうと1時間くらいは出て来られないという話を聞いていたのでほっとしました。

しかし安心したのも束の間、次々にサッカーやバレーボールやラクロスなどの勧誘の群れが押し寄せてきました。ただアメフト部ほどのパワーはなく苦労はしましたがなんとか少しずつ進んでいけます。テント列も後半にさしかかると文化系サークルの割合が増えてきて勧誘も優しいものに変化していきました。普通にビラだけもらって歩いていけます。

そしてついにテント列が終わり、駒場東大駅に辿り着けました。通常であれば2分しかかからない道のりに40分費やしました。まあでもこんなことは大学生にでもならないと経験できないので貴重な良い思い出になりました。こんなに歓迎されてちやほやされるのは最初のこの時期だけですしね。

後で聞いた話によるとテント列を抜けるまでの平均時間は約2時間。長い人は5-6時間かかるそうなのです。それに比べると僕の40分はかなり短い時間だったよう。しかしこの後に出会うことになる同じクラスの女の子は25分という新記録をたたき出していたようです。どうやってそんなに短時間で抜けられたか本人に尋ねてみると、彼女は淡々とこう言い放ちました。

「ずっと大声で『通してください!!』と叫び続けたんです。」

シンプル...!!



To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/09/04
東大生活物語 第一話「おじさん大学生」  
こんにちは。今日も暑くなりました。9月に入ってから涼しくなったり暑くなったり忙しいですね。うちの次男(2歳)は涼しい日には外を駆け回っているのですが、今日みたいな暑い日は一歩も歩かず「抱っこ抱っこ」モードです。自分に正直に生きていますね。

さて、先週で長く続いた東大受験物語が終わり、今週からは新たに東大生活物語が始まります。現役高校生の10コ上の28歳で初の大学に進学した男から見た東大とはどんなものなのか...?毎週少しずつ紹介していきます。それが終わったら東大休学物語にでもなるのか?という疑問はさておき本編に入りましょう。

前回の話↓



長いようで短い受験生活が無事合格という形で終わり、安心したのも束の間、今度は入学準備をしなければなりません。不備があっては大変と苦手な堅苦しい書類もちゃんと読み書類での手続きをこなしていきます。そして3月の後半には駒場のキャンパスで健康診断や入学相談会みたいなものに行われました。

相談会では現役の東大生(つまり年下の先輩方)が大学生活の疑問に答えてくれたりします。高校にもまともに行ってない僕からしたら単位制というのも初めてで、いまいちよくわかっていません。仕事と大学を両立させるためには授業スケジュールの組み方が鍵になるので、わからない所はしっかりと質問しました。

そこで面白かったのは、年齢問題。質問を答えてくれるのはだいたい20歳前後の若い子達なのに話を聞いているとしっかり先輩に見えるのです。どこの世界でもそうですよね。その世界で経験のある人は大きく見える。年齢は関係ありません。先輩です。そして話し方が論理的です。

もう一つ面白かったのは、その先輩方から僕が全く年上に見られていなかったということ。これは「若く見られた」と喜ぶべきなのか、「未熟に見られた」と嘆くべきなのか。まあ見た目の年齢判断は難しいですからね。僕も全然他人の年齢はわかりません。そこに「新入生はだいたい現役高校生か、もしくは1~2年浪人した人だろう」という先入観が入るとさらに見極めが難しくなります。

よく見ると肌の質感が全然違うんですけどね。18歳の肌は輝きを放っています(笑)。

さて、その説明会で学んだことは「最初の学期に調子に乗って授業を詰め込み過ぎると後で痛い目見るよ。」ということでした。入学直後はいわゆる「4月病」といって予定を詰め込む人が多い。ただ5月あたりになって浮かれ気分が冷め始めた頃に、自分のキャパをオーバーしたスケジュールに気づき鬱になる、といった具合だそう。

(なるほどな、周りの雰囲気に流されないように自分のペースを守らなければ仕事も大学もダメになるな。。気をつけよう。)

なぜ気をつけなければならないかというと東大独自の進学振り分け(通称「進振り」)というシステムがあるからなのです。入学する時には全員教養学部所属、駒場キャンパスで2年生まで過ごします。その後、2年の中頃の「進振り」でそれぞれ進学する学部を決めます。(法学部、経済学部、文学部など。)

そしてその進振りには成績が必要なのです。セメスター(学期)毎にそれぞれの科目で成績(100点満点)が発表され、その平均点によって自分の希望の学部に進学できるかどうかが決まってきます。高ければ高いほど選択の幅が広がるのです。

つまり調子に乗って1年生の最初の学期に授業を取り過ぎるとテスト勉強やレポート作成が追いつかず2年の進振りに響いてしまうというのです。

(なるほどな、進振りか。覚えておこう。)

(「4月病」というワードも覚えておこう。)

(自分が案外若く見えるというのも覚えておこう。この先使えるかもしれない。)

そんな学びをして、その説明会を後にしました。

さて、3月末から4月頭までの慌ただしいイベントの数々。その数日後には学部ガイダンス、そして自分が所属するクラスの顔合わせが控えていました。多少は若く見られるおじさん大学生は10代の若さの波に乗って行けるのでしょうか...?!


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

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